宮崎大学や病院、それに企業などでつくるプロジェクトチームが、透析患者のための医療機器とアプリを共同開発しました。
開発された製品は高く評価されていて、今後、医療機関や在宅医療での活用が期待されます。

20日は、宮崎大学や九州医療科学大学、それに、医療機器メーカーのメディキットなど6者でつくるプロジェクトチームが会見を開きました。


今回、4年をかけて共同開発されたのが、透析患者のための医療機器「KIKU‐KIT」とAIを搭載した専用の管理アプリ「GAVULI」です。


「KIKU‐KIT」は、手術で動脈と静脈をつないだ部分の血流の音「シャント音」に異常がないか聴診するために使い、この機器で聴診した音を「GAVULI」に送信すると数値化できます。

このため、聴診の経験が浅い看護師でも異常に気づきやすくなるほか、患者の合併症予防や緊急手術の削減などが期待されるということです。


(九州医療科学大学 福元広行准教授)
「どれくらい年間シャントトラブルがあるかというと、そのエビデンス(根拠)はまったくない。ですので日々の管理が必要になる。最終的には在宅医療の拡充に応用できないかと考えている」


今回の共同開発は、臨床の現場でも高く評価され、日本臨床工学技士会の「医工連携アワード」で九州で初めて最優秀賞を受賞しています。

「KIKU‐KIT」と「GAVULI」は、来月から医療機関向けに販売されます。