■「この学校に行きたい」多くの子どもたちが集まるワケ

入りにくい職員室は、ここには存在しません。

子どもたち
「私はこの職員室好きよ!楽しいし」
「椅子二つ使ってこうやってね!」

職員室は「くつろぎの場」。


大人の頭の上に肘を乗せて漫画を読んだり、ソファに重なるように寝転んだりして過ごします。ボランティアに来ていた卒業生は。

ーー外に出て自由がなく困ったことは?

卒業生 伊藤沙也花さん
「高校の時は結構校則とかもあったんでそういうのを思う時もあるんですけど、その中でどうやったら自由にできるかって考えられる」

この学校を支えるもう一つの「柱」は、「話し合い」です。

「クラフトセンター」武井ハジメラフェルくん(3年生)
「さびしい人のことはどうしたらいいかな」

リフォームした古民家での「お泊まり会」を企画しているクラフトセンター。

さびしいから参加できないと言う子がいるため、徹底的に話し合います。


子どもたちの話し合い
「でっかいぬいぐるみにお母さんとお父さんの顔の写真を貼る」
「こわいこわいこわいこわい」
「お母さん呼んでくる?(笑)」

「クラフトセンター」久保田大喜(たいき)くん(3年生)
「笑うのは良くないよそういうの!(誰だって)バレたらいけないことってあるからね!(オレだって)バレたら超、顔真っ赤になるからね!」

3年生の大喜くんが、「さびしい気持ちを笑うのは良くない」と止めました。

耳を傾けている相手は、4月に転校してきたばかりの4年生、舛田光志朗くんです。

光志朗くんの母 舛田理恵さん
「(公立時代は)自分らしさを発揮できていないんじゃないかっていうところは確かにありましたね。決められた学習をするっていうのは、彼の中では興味が薄かった」

「この学校に行きたい」

転校は、光志朗くんが決めたことでした。


お泊まり会まで三週間。何とか間に合わせようと子ども達は必死で作業していました。


大喜くん(3年生)
「コンロチーム終わった!」

自分の仕事を終えた大喜くん、一人でベンチの足を切る光志朗くんの元に手伝いに行きました。二人で協力しながら太い木材を切り進めます。

光志朗くん(4年生)
「切れたー!あべちゃん切れた!」

「クラフトセンター」担任 阿部和樹さん
「おめでとうございます!合わせてみる?」

ベンチの足が一本、完成しました。


そして、お泊まり会当日。バスの中には、光志朗くんの姿もありました。

光志朗くん(4年生)
「最初は友達あんまりいなくてちょっと悲しかった」

ーー今は?

光志朗くん(4年生)
「今は友達多くなったから、行きたい気持ちになった」

子どもたち
「ついたついた!」

この日のメインイベントは、みんなでたき火を作り、カレーを温めて食べる、というもの。

子どもたち
「ふー!ふー!(息を吹きかける)」
「すごいこれ!」

ーー火怖くないの?


大喜くん(3年生)
「え、何回も、何年も(火を)使ってるからね!」

それを見ていたほかのチームも、
見よう見まねで次々に火を起こしていきます。


Nスタスタッフ
「大人は『危ないよ』と言ったり手を出したりしがちですが?」

「クラフトセンター」担任 阿部和樹さん
「そういう時は後ろにグッとこう。僕も(手や口を)出したくなる時はあるんですけど後ろに手を縛るみたいな感じで。一番子どもが楽しめるところなので奪わないです」

そして、カレーが完成!


子ども達
「あげないよ!」
「あげないよー」

Nスタスタッフ
「普段食べてるカレーと自分で火を起こしたカレーは違う?」

子どもたち
「うん、ちがう!」
「絶対こっちの方がおいしいよ!」
「あとなんか、自分で作ったらなんか香ばしさっていうのかな・・・」



自分たちの手で起こした火で温めたあつあつのカレー。どの子も夢中でたいらげました。

きのくに子どもの村学園学長 堀真一郎さん
「子ども達に一番身に付けて欲しいことは、生きる喜び、生きる自信。
ある女の子がね、ねえねえ堀さん。私ね、この学校へ来たら、私でいられるのって。こんなことができる、あれもしたいこれもしたい、そういう風に思いながら生きてくれるような、そういう子になって巣立って行って欲しいなと思います」