◇《「在日コリアンとして生きていくことは…簡単ではない」しかし…》

 政府は、拉致被害が未解決であることなどを理由に、高校無償化の対象から、朝鮮学校だけを外しています。学校の経営は、学費や、在日コリアンや日本人の支援者からの寄付金などで賄われています。

北海道朝鮮初中高級学校 朴大宇校長
「日本好きな子たちも多いですし、それがほとんどだと思います。在日コリアンとして生きていくのは、簡単なことではないので、何か自分で得た答えがあったら、堂々と生きていける」

今月7日、放課後のグラウンドには、地域のサッカークラブチームの中学生たちが集まっていました。朝鮮学校の生徒も所属し、練習に励んでいます。

チームの川内悠平監督は、大学院で文化人類学を専攻し、朝鮮学校をフィールドに研究していました。

FCフォルテU15 川内悠平監督
「SNSにたくさんの情報がある中で“こういう意見もあるけれど、俺はこう思う”…だって“こういう経験してきたから…”というふうに、自分の頭でしっかり考えて、社会を見る目が養われていることにつながるといいなと思う」

(Q.仲良くなって同じだと思う?違うなと思う?)
「同じの方が多い。同じ人間で差別とかもないから、同じ人間だと思う」
「チームも学校と違って楽しい。貴重な友達」

簡単に他者を攻撃できる現代。知ろうとした1歩の先には、互いにわかりあえる共通点があるはずです。

◇《放送で“隠さずに顔を出す”ことへの葛藤と思い―》

世永聖奈キャスター)
 新型コロナの感染拡大前、2019年に開かれた北海道朝鮮初中高級学校の学校祭の写真です。保護者が作ったキムチが大人気で、地域の人たちが、たくさん詰めかけたことが伝わってきます。

在日コリアンに対する攻撃は、SNSなどで根強く「子どもたちの顔をそのまま出して放送するか」、今回の放送にあたって校長も保護者も、とても悩んだということでしたが、“ありのままの姿を伝えたい”という思いから、多くのかたが、顔を隠すことなく、取材を受けることを決断してくれました。

堀啓知キャスター)
 生徒の保護者、李慧娘さんは『ご近所付き合いの中では、朝鮮学校について、偏見なしに聞いてくれる人もいる』『人と人が仲良くなるように、国同士の関係が良くなることを願います」と話しています。特集でした。