勝負も記録も重要なレースに
世界陸上代表に選ばれるには、参加標準記録の13分01秒00を破るか、Road to Tokyo2025で種目別選手枠の42人に入る必要がある。42番目のラインは5月17日時点で1090点。
今後何ポイントになるかは流動的だが、日本陸連強化委員会の長距離部長でもある渡辺監督は、「GGPでは日本選手に1200点以上を取ってほしい」と言う。
Road to Tokyo 2025のポイントは記録ポイントと順位ポイントの合計で、GGP3000mの順位ポイントは1位・100点、2位・90点、3位・80点、4位・70点、5位・60点、7位・45点、8位・40点となっている。記録ポイントはどの大会で出しても変わらず7分40秒で1176点、7分45秒で1146点、7分50秒で1115点。記録ポイントの方が数値は大きいが、実は差が付きにくい。反対に順位ポイントは、数値は小さいが差が付きやすい。
観戦時に細かい部分は理解しなくても大丈夫だ。日本記録を出して8位以内に入ったり、7分45秒前後で5位以内に入ったりすれば1200点を上回り、代表選考で大きなプラスになる。
ペースメイクは2000m通過が速ければ5分06秒になり、ラスト1000mは2分35秒で日本記録が更新できる。前半で貯金を作るパターンだ。5分10秒の設定になれば、ラスト1000mを2分30秒までペースを上げる必要が生じる。前半で多少のマイナスを負っても、ラスト1000mで挽回するパターンだ。
しかし記録だけを考えていてもダメである。アフリカ勢が5人出場し、アイルランドのブライアン・フェイ(26)も参加する。フェイはダイヤモンドリーグ上海紹興大会で佐藤に勝った選手。日本人選手同士の争いをするのでなく、外国勢を相手に上位に入らないとGGPを走る意味はない。
世界を見据えた代表争いを、今年のGGP長距離種目で楽しむことができる。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真は左から遠藤日向選手、佐藤圭汰選手、塩尻和也選手