森は昨年のGGPが出世レース ラストに強い遠藤、10000m日本記録保持者の塩尻も有力
森凪也は4月12日の金栗記念5000mに13分15秒07の自己新で優勝。後半レースを引っ張った佐藤圭汰を、ラスト150mからのスパートで抜き去った。佐藤とともに5月末のアジア選手権代表に選ばれている。前半シーズンでRoad to Tokyo 2025のポイントが高いのはGGP、アジア選手権、日本選手権。現状アジア選手権代表の森と佐藤が優位と言われている。
森は昨年のGGP5000mで、日本人2位の5位。13分23秒08と好記録もマークしたことで、その後の日本選手権2位(13分16秒76)につなげることができた。9月に中足骨にケガをしたことで、ニューイヤー駅伝は1区区間9位とトラックほど活躍はできなかったが、金栗記念で日本代表入りする力は昨年から示していた。GGPは出世レースといえる。
「GGPは欠場者が出たため、僕が繰り上がりで出場することができました。一番低い実績の選手が日本人2位になれて、日本選手権の表彰台にもつなげられました。大学まで一度も全国で入賞がなかったので、日本選手権が一番大きかったのですが、ベストレースはGGPでした」
自身の競技人生を変えたレースで、再度の快走を期している。
昨年のGGPで森に勝ち、日本人1位の4位となったのが遠藤日向だ。今季は金栗記念を欠場し、4月29日の織田記念は日本人2位の3位、13分28秒75だった。住友電工の渡辺康幸監督は、「金栗は動き(フォーム)がしっくり来ていないので出場を見送り、織田はGGPに合わせるために練習の一環として出場しました。GGPで7分45秒08の自己記録を更新する準備はできています」と遠藤に期待する。
遠藤は状態が良ければラスト1周を54秒台で走る。他の選手たちにとっては脅威となるスパート力が特徴だ。
そしてもう1人の日本人トップ候補が、塩尻和也である。23年12月に10000mで27分09秒80の日本記録を樹立したが、今年4月12日の日本選手権10000mは27分47秒58で4位。10000mの代表争いからは一歩後退したが、5月4日のゴールデンゲームズinのべおか5000mで13分13秒59の自己新をマーク、日本人トップとなり5000mの代表入りに希望を残した。
「GGPも日本人1位でポイントを積み上げたいですね」と富士通の高橋健一監督。「短い距離のスピード練習ではなく、長距離寄りの練習を行う選手ですが、それでも5000mや3000mのスピードを出すことができます」
最後1周のスピードは遠藤に及ばない。レース展開や誰が日本人先頭集団に残っているかにもよるが、ロングスパートに活路を開くタイプだろう。