一方、農家の高齢化や担い手不足でため池の維持管理も大きな課題となっています。国東市国見町の宮本碩彬さん(84)は、自宅近くの吉原池から水田に水を引き、地域のコメ作りを支えています。

(宮本碩彬さん)「土手の草刈りやら維持管理が大変ですよ。人手がなかなか見つからんで、私が80歳も過ぎて池の管理者になっているんです」
この日は県の点検が入り、水路の漏水が確認されました。吉原池では今後、防災工事や管理システムの導入を予定。完了すれば新たに5軒の農家がコメをつくれるようになるといい、宮本さんは地域の活性化につなげるため、苦労を抱えながらも被災を防ぎたい思いです。

(宮本碩彬さん)「池のすぐ下に住宅があるから大雨が降ったり、地震が起きたりしたときに心配になります。池が改修されたら、この地区の人もコメ作りができるようになるので地域にとって助かります」
危険性のあるため池は県内に1000か所以上あり、対策には多くの費用や時間がかかります。毎年のように過去に例がないような豪雨が発生する中、ハザードマップを確認して迅速な避難行動につなげる備えが求められています。