昔と比べてやわらかい食べ物が増えたことも、歯並びの悪化に関係していると指摘します。

甲斐氏:
「昭和初期と比べると、現代の食事は非常にやわらかく、かみやすいものが多い。そのため、あごの骨格の力が小さくなってしまいます。歯のサイズは変わることがないので、ガタガタになる『叢生(そうせい)』と言われる状態になります」
早期対応の重要性
歯並びの悪化を防ぐ対策として、バランスの取れた生活習慣の重要性を強調しています。
甲斐氏:
「例えば、少しでも体を動かす環境を作ってあげることが大事です。テレビを見る際、食事をする際、わずかな姿勢の歪みに親が気づき、少しずつ修正していくことが良い方法だと思います」
矯正治療を専門とする「大分矯正歯科」の内海大院長は、治療を始める時期について、「小学校低学年で前歯が上下4本ずつ生えそろった頃が、子どもの矯正治療を検討するタイミングです」と説明します。
矯正の種類は、ワイヤータイプやマウスピースがあり、子どもの場合はあごの成長を促す効果も期待できます。ただし、矯正治療は保険適用外のため、経済的な負担が課題です。

大分矯正歯科 内海大院長:
「費用やタイミングの問題で矯正をしないとしても、歯並びがデコボコだと虫歯になりやすい。歯医者に定期的に行って、歯磨きの指導を受けるなど、日頃からのメンテナンスが大事です」
歯並びの状態は見た目だけでなく、虫歯や歯周病のリスクにも関係します。子どもの頃から正しい生活習慣を意識し、早期に対応することで、生涯にわたる口腔の健康を守ることにつながります。