姿勢の悪さが歯並びに影響
歯並びの悪化の原因として、大分県歯科医師会の甲斐大嘉氏は、複数の要因が絡み合っていると話します。

甲斐氏:
「食物アレルギーや花粉症の増加により、鼻づまりの子どもが増えています。口を開けたまま生活することで、口腔内の環境が大きく変化してしまうのです」
さらに、スマートフォンやゲームの使用時間が長くなっていることによる姿勢の悪化も、歯並びに悪影響を及ぼすと指摘します。
甲斐氏:
「よく言われるのが、首の骨が本来のS字カーブを失う『ストレートネック』です。子どもにも当然そういった影響が出て、歪んだ状態で食事を繰り返していくと、飲み込む姿勢やタイミングにも変化が出てしまい、歯並びに影響します」

スマートフォンやゲームに夢中になると、子どもたちは長時間、前かがみの姿勢を続けがちになります。特に首を前に傾けた状態で画面を見続けることで、首や背中の筋肉に負担がかかり、姿勢が悪化します。そして食事の際の『かむ』『飲み込む』といった動作にも影響を与え、結果として歯並びの悪化を引き起こすといいます。
甲斐氏:
「昔は学校が終われば外に遊びに出るというのが比較的普通だったと思うんですけど、いまは家で座った状態で過ごすことが多い。そうした時にわずかな姿勢の変化によって全身的な体のバランスが崩れてくる。そうすると骨格にも歪みを生じ、それによって歯並びにも変化が起きます」