水俣病の原因企業チッソは、日本の戦後復興と高度経済成長の原動力となった大企業でした。水俣市は、税収の半分以上がチッソ関連という「企業城下町」に変貌していました。

水俣病以外にも世界の公害について研究した原田さん。漫画の中では「公害は単にカラダに起こった病気ではなく、経済を優先し自然環境を軽視した社会の病気ととらえていた」と紹介されています。

(原田紀史さん)「ただ公害問題ではなくて差別の問題。あるいは環境問題。こういうものが含まれている。今、環境をおろそかにすれば、近い将来、地球が滅びてしまうんじゃないかと」

漫画を通して伝えたかったのは、自然と人間との関係です。

『僕は未来を担う子どもたち、ひとりひとりが自然に感謝し、心を育てていってほしいと願っている』

Q.ふるさとは大きく変わってほしい?

(原田さんの母校・宮之城中学校の生徒)「のどかだから、いいことがたくさんあって、都会では味わえないことがたくさんある」

(原田さんの母校・宮之城中学校の生徒)「環境にも気を使いながら、自分のためじゃなくて周りのことも考えていきたい」

(原田寿美子さん)「(豊かな環境の)田舎って本当に素晴らしいんだということを感じ取ってもらえたら」

原田さんが追い求めた精神は、漫画を通して次の世代へ受け継がれます。