屋外での活動が増える季節に気をつけたいのが「マダニ」です。見た目は小さなほくろのようでも、実は重大な感染症を引き起こす可能性があります。特にマダニが媒介するSFTS=重症熱性血小板減少症候群ウイルスに感染すると、命に関わるケースも報告されていて、注意が必要です。
※本記事は2022年6月2日の記事を編集し、再掲載しています。

急にほくろが…

赤く腫れあがった皮膚の中心にある黒い点。ほくろのようにも見えますが、実は「マダニ」です。

提供:安西皮膚科

安西皮膚科 安西三郎院長:
「刺したマダニは数日から1週間かけて徐々に大きくなってきます。多くの人は急にほくろができたと思っています」

大分県竹田市にある安西皮膚科の安西三郎院長は20年以上にわたり、マダニに刺された患者を診察しています。

安西皮膚科 安西三郎院長:
「大分県では約10種類のマダニが人を刺すことがわかっています。動物や人間がそばを通るのをじっと待って、通ると人にくっついて血を吸います」

この皮膚科では、マダニに刺されるケースは5月から7月にかけてが最も多いといいます。特にマダニが媒介するウイルス感染症、SFTS=重症熱性血小板減少症候群には注意が必要です。

安西院長:
「SFTSは一番警戒すべき病気だと思います。刺されたあと、1週間ぐらいで吐き気や下痢、高熱、全身倦怠感など、そのような症状が出てきます。適切な治療薬とかワクチンはありません。だから対症療法になります」