カードを止めたのに1か月で22回の不正利用…なぜ?

 「人をだますとか普通に考えられない」

 こう話すのは、名古屋市に住む40代のAさん。去年7月、クレジットカードの個人情報を盗まれるフィッシング詐欺の被害にあいました。

 (Aさん)「イオンカードに不備があるという内容で、反射的にURLをクリックしてしまって、カード情報を入力してしまった」

 直後に送信元のメールアドレスを見返してだまされたことに気づいたAさん。すぐさまカード会社に連絡を入れ、利用を停止しました。ところが…

 (Aさん)「新しいカードが届いた段階で、使用履歴を確認しました。まだ開封していないのに決済されていて、えっ、なんで?みたいな」

 明細を確認すると、カードを止めた2日後に不正利用が始まっていました。1回の決済はすべて1万円以下で、約1か月の間に22回、計14万円ほどが不正利用されたといいます。

 カードを止めたのに、なぜ不正利用が続いたのか。そのわけは、スマートフォンの「タッチ決済」です。
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 スマホにカード情報を登録するとクレジットカードの代わりに決済に使える機能で、一定額以下の決済なら、カードの有効性をその場で確認する通信は行われません。一部のカードでは利用停止後もしばらくの間タッチ決済は可能で、この仕組みが悪用されたとみられています。

 同様の被害が相次いだイオンカードの発行会社では今年3月、不正利用への被害補償として、99億円の特別損失を計上する事態になっています。