あさって11日、日曜は母の日です。島に生花店がない離島の子どもたちに45年間、カーネーションを贈り続けた77歳の男性がいます。花のプレゼントを今年で終えることになり、先ほど、最後の贈呈式が開かれました。
鹿児島市本名町で生花店を営む田知行義久さん(77)です。
田知行さんは45年前、三島村と十島村に生花店がないことを知り、島の子どもたちに母の日に合わせてカーネーションを贈り続けてきました。
(田知行義久さん)「家族の協力があったからこそ。45年間、よく続いたというのが本音」
毎年、子どもたちから送られてくるお礼の手紙が励みになっていたといいます。
(田知行義久さん)「『お母さんとけんかしていたけど、花を渡したおかげでまた仲良くなれた』とか、手紙を見ると本当にうれしい。それを見ると、続けていけるひとつの原動力だったかもしれない」
しかし、77歳と高齢になったこともあり、45年続いた花のプレゼントを今年で終えることにしました。
先ほど、鹿児島市の「フェリーとしま2」の待合所で、田知行さんは村の教育長に、カーネーションを託しました。母の日にあわせて、三島村と十島村の子どもたちに211本のカーネーションが届けられます。
(十島村教育委員会 木戸浩教育長)「自分のポケットマネーで全部自費でやってくださり、(十島村は)44年間も続けてくださったので、この機会を作ってくださった田知行さんに感謝しております」
(田知行義久さん)「子ども大好き人間なので、子どもたちの笑顔を見るのも(目的の)一つ。最後という言葉を使うのは、あまり好きではないが、できることなら何らかの形で続けられる事業があったらという願望はある」
田知行さんは今後、子どもたちからの手紙を店に飾り、島との交流の場をつくりたいとしています。