尊敬しているのは父親より母親?30年で逆転

メンターは「相談相手」や「助言者」という意味があり、主にZ世代(1996年~2012年生まれ)の子を持つ母親に多いそうです。子どもとの距離が近く、常に並走して、時には一歩先回りして程よく必要なサポートをしてくれる、そんなお母さんです。

博報堂生活総合研究所の「若者調査」によりますと、首都圏で、19歳~22歳の男女800人に「尊敬している親」を聞いたところ、父親が37.0%、母親が61.5%となりました。30年前は父親が53.5%、母親が45.4%だったので、逆転したことになります。

また「自分の価値観や考え方に一番影響を与えている相手」という質問でも、父親は30年前とほぼ変わらないのに対し、母親は20%も増えています。

この要因について、専門家は学校教育との関連もあると話します。

神戸親和大学 教育学部・猪田裕子教授「学校教育と家庭教育がすごく連動していると思う。ゆとり教育の反省から個性重視、探求学習、非認知能力の台頭などから『子どもと一緒に考える』というお母さん像が出てきた」

相談相手がいる安心感もある一方で、こんな見方もあるといいます。

猪田教授「『優しい顔をした支配者』みたいに親がなってしまうケースもあります。共感しすぎる、支えすぎることが、子どもの自立を妨げるリスクも含んでいる」