買い物に出かけることが難しい『買い物弱者』。中山間地域で課題になっているという印象がありますが、実は新潟市の中心部でも問題となっています。
『買い物弱者』を支援しようと、介護を専門とする民間企業が移動販売に取り組んでいます。
新潟市中央区の市街地を走る1台のトラック…

実は…
自分で買い物に行けない『買い物弱者』を支援するための移動販売『おれんじマート』です。

積んでいる商品は野菜や菓子類などおよそ1000点。介護を専門とする『サニーウインググループ』が7年前に立ち上げて新潟市中央区と西区を中心におよそ30拠点を回っています。

サニーウインググループ 田中孝広さん】「スーパーの少ない田舎に買い物弱者の人が多くいると思ったが、中央区も非常に高齢化率が高くなってきて、私たちのニーズが高まっているのかなと」

新潟市の買い物弱者の問題は、衰退した商店街があることや、近くにスーパーがない地域もあること、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続いていることなども原因とみられています。

商品は、提携先の青果店やスーパーなどから仕入れます。
こちらのスタッフは仕入れたキュウリを2本ずつ小分けにして包装していきます。
なぜ小分けにして包装?
【スタッフ】「高齢者の人はそんなに何本も召し上がらないので」
遠出が難しい利用者が商品から季節を感じられるようにカキやカボチャなど秋の味覚を揃えています。寒くなるこの時期は焼き芋もラインナップに加わります。

【スタッフ】「人参2本と1本どっちがいい?」
商品を手に取ってじっくりと買い物をしているのは移動販売が始まった時からの常連です。
【利用者(80代)】「体がちょっと不自由な状態で遠くに買い物に行けません。おれんじマートが来てくれてとってもありがたい」
こちらの利用者は好物の焼き芋を購入できて大満足です。
【利用者(80代)】「本当私楽しいの。おれんじマートがここに来てくれて買い物するのが楽しみ」

『サニーウインググループ』は採算を度外視して移動販売事業を続けています。
高まる利用者のニーズに応えるために移動販売車の2台目の購入資金をクラウドファンディングで集め目標金額の250万円を達成することができました。

【サニーウインググループ田中孝広さん】「新潟市内で買い物弱者をなくしたい。その思いをもってこれからも頑張っていきたい」
買い物弱者を一人でも減らすために…
きょうも移動販売車は新潟市内を走ります。