■年金、いつからもらう?後ろ倒しすれば金額は増えるけど…

さらに、もらい始める年齢により、受給額は変わってきます。
▼65歳で満額
▼60歳に前倒しすると24%減
▼70歳に後ろ倒しすると42%増
▼75歳に後ろ倒しすると84%増

基本は後ろ倒しした方が月額の支給額は増えますが、それぞれの人生設計に合わせてタイミングを選ぶ必要があります。

高齢者の就業率は年々増加しています。
2021年には、60歳~64歳で71.5%、65歳~69歳でも半数以上の高齢者が何らかの形で働いています。

日本年金機構 運営評議会委員
生活経済ジャーナリスト 和泉昭子氏:

今みたいな低金利では、貯金を取り崩して年金を遅くもらうという方法もありますが、働き方と合わせて考えていく、自分なりのプランを作っていくことが大切です。
いつまで生きるかが分からないので、どこでどっちが得になるか分からないんですけど、私は個人的に、70歳までなんとか働いて、ちょっと増やしてもらいたいなとは思ってます。

恵俊彰:
真面目にずっと年金払ってきて、70歳からもらうって決めて、そのあと、例えば5年で死にましたと。「自分の判断であんたが決めたんでしょ」ってなると、「ちょっと待ってよ!」って思っちゃいますよね。そこはなんかやっぱりみんなに等しくもらえるようにしたい。
ただ年金は、世代が世代を支えていくというシステムだから、少子化になっていくともうそうじゃなくなるっていう。

弁護士 八代英輝:
それが無理があるっていうことにならないんですかね?

和泉昭子氏:
おっしゃる通りで、私も同じことを言ったことがあるんです。もう根本的に制度を変えられないのかと。でもいったんご破算にすると、お金を戻したりするのにすごく経費がかかってしまって現実的には難しいそうなので、土台がある中でいかに調整していくかということしかないようですね。

恵俊彰:
住みながら家を改修してるような状況なんですね。

■もっと少子化が進んだら?今後の方策

コメンテーター 栗栖良依:
もっと少子化が進んだらどう補填していくんでしょうか?人口が減るのもそうですし、経済的な理由から払いたくても払えない人もどんどん増えている。どう考えてもバランスが取れないのに、どういうふうに国は考えてるんだろうとすごく気になりますね。

和泉昭子氏:
前から少しずつ感じられているのが、今受給開始年齢が60歳から65歳に遅くなったりしてますけど、それをさらに67歳とかにする。アメリカ・フランス・イギリスなどは、将来67歳からにするとすでに決めているんですね。
そういうのをいろいろな委員会の資料などに挟み込んできてますから、ちょっとそこは薄々感じてます。
あとは、実現はなかなか難しいかもしれませんけど、高額所得者の人を少し減額するようなこともあるかもしれませんね。

恵俊彰:
今回の、保険料の納付期間を伸ばす話は2025年からですか?

和泉昭子氏:
はっきりは決まっていないんですが、財政検証が2024年にあって、その後に改正が行われるようです。

恵俊彰:
2025年の改正を目指す、みたいな表現になるんでしょうかね。近いうちにこうなると、頭のどこかに入れておかなきゃいけないようですね。

(ひるおび 2022年10月27日放送より)