「人生100年時代」。
ライフプランを、今、考え直さなければいけないかもしれません。
国民年金の納付期間を5年延長し、65歳になるまで納める案が検討されています。現行の納付額で計算すると、約100万円負担が増えることに。
街の人はー
「破綻してますよね。将来的に自分に返ってくるのか、すごく疑問ですね」
「仕方ないかなって個人的には思ってます。年金に頼らない準備をいかにするかが大事」
少子高齢化が加速し、課題が多い年金制度。私達は今からどんな準備をすればいいのでしょうか。専門家と共に考えます。
■「議論を進めなければ国がつぶれる」年金制度見直しへ

5年に1度(次回2024年)行われる「財政検証」に向け、「年金制度改革」について議論が行われています。厚労省関係者からは、「もっと議論を進めなければ国がつぶれてしまう」という声があがっています。

日本年金機構 運営評議会委員
生活経済ジャーナリスト 和泉昭子氏:
今回のポイントは、納付期間のゴールが変わること。つまり人生設計が変わる可能性があります。
やっぱり60歳でなんとか落ち着くんじゃないかと多くの人が思ってたのが、ゴールが先に行ってしまうので、生活設計も変わりますし、家計の運営も変わると思います。
国民年金を払うのは、60歳を過ぎると1人分じゃなくて奥さんの分も含めて2人分になったりもするので、負担は結構大きいと思います。
■検討案では納付期間を65歳までに延長 負担増は約100万円

現状の国民年金は、20歳から60歳になるまで40年間支払うと、満額になります。
検討されている案では、20歳から65歳になるまでの45年間。
5年増やすということなんです。

では、負担はどれくらい増えるのか。
今年度の実績では、国民年金保険料は月額で1万6590円。これを5年(60か月)延長するので、
1万6590円×60か月=99万5400円
5年間の納付額が99万5400円。つまり、約100万円負担が増えるという計算になります。
支払うタイミングは、60歳から65歳になるまでの間です。
街の人はー
20代・会社員
「100万も増えるとなると、結構負担。払う部分が大きくなるのでもうちょっと給料を上げてもらうとかしないと、どんどん生活が苦しくなる」
40代・会社員
「『延びるんですか?』という感じです。今働いてる人たちに対しての圧というか。そんなに国民に負担をかけさせるのは、正直もう限界が来ていると思う」
50代・会社員
「許してって感じ…。正直、マジかっ!って僕ら世代は思いますよね」
80代・年金受給者
「私みたいに長生きしちゃうと、お勤めの方も長くしなきゃなんないでしょ。若い人には本当に悪いよね」
コメンテーター 副島淳:
60歳から65歳までの100万円は、だいぶ重たいなというのが率直な感想ですね。本当にいろんな人生設計を変えないと、60歳で仕事をやめようと思ってた方もいらっしゃると思うんで。
恵俊彰:
人生それぞれ、リタイヤして本当に好きなように生きていこうという方もいらっしゃるでしょうし、もっともっと働いて、子どもたちや孫のためにっていう方もいらっしゃる。これはその判断に関わってきますよね。

そもそもどうして支払う期間を長くしなければいけないのか。それは、年金制度を支える現役世代の減少に伴う財源不足を補い、受給水準の低下を防ぐためです。
高齢者1人を支える現役世代の数は、1965年には9.1人でしたが、2015年で2.1人。2050年には1.3人、ほぼ1対1で高齢者を支えなければいけないという予測が出ています。
■納付期間延長で受給額は増えるの?
現状、2022年度の国民年金の受給額は、月額6万4816円。
納付期間を5年延ばしたら、多くもらえるようになるのでしょうか?

※今年度の保険料・年金額をもとに算出
【現在】
40年間の納付総額が796万3200円
65歳からの年間受給額が77万7800円
【検討案】
5年増えると、納付額は約100万円増加して45年で895万8600円
65歳からの年間受給額が87万5000円
単純計算すれば、年間受給額は10万円近く増えるということになります。
ただ、和泉氏によると、納付期間が延長されれば受給額は増えるが、元を取るには10年以上かかる。
つまり65歳から年金をもらい始めて、この100万円を回収するためには75歳以上まで生きないと元は取れないということです。














