年齢や性別、障害の有無に関わらず誰もが使いやすいかたち「インクルーシブ」という考え方が注目されています。

「すべてを包み込む」「包む」 という意味を持つインクルーシブが、いま熊本県内でも広がり始めています。

コクヨの担当者「利き手問わずということで、みんなが使いやすい商品に仕上げましたので、ぜひお使いください」

文具メーカーのコクヨが熊本市に贈ったこのハサミ。インクルーシブデザインを取り入れたということですが、一般的なハサミとどこが違うのでしょうか。

注目は、ハサミの持ち手を見ると、刃が斜めに差し込んであります。一般的なものは水平に差し込まれていますがあえて斜めにすることで右利きの人も左利きの人も関係なく使えて。さらに、力が弱い人も切りやすい設計になっているということです。

熊本市長が実際に使ってみました。

熊本市 大西一史市長「同じものように見えて、切りやすさが全く違うんですね。左手でやるとどうだろう。左でやると余計、分かりますね」

コクヨによりますと国内人口の約10%が左利きで、そのうち9割以上にあたる約1100万人が使いづらさを感じながら右利き用のハサミを使っているということです。

左利き用のハサミも販売されてはいるものの、その数、種類は多くありません。

コクヨ 井田幸男さん「左利き用を作ると10%の市場に対して経済性があるのかみないな話にもなってしまう」

「利き手を問わず誰でも使いやすい」を実現したこのハサミ

熊本市は、贈られた約500本を市内の小中学校や特別支援学校で活用することにしていて、子どもたちの工作する楽しみにつなげたいとしています。