視覚に障害がある人が鏡を使わずに化粧ができる、“ブラインドメイク”という化粧法があります。「より可愛らしくなって、褒めてもらいたい人ができた」、そんなきっかけで初めてメイクに挑戦している弱視の女性を喜入友浩キャスターが取材しました。

「本当に心が変わる」 “ブラインドメイク”の肝とは

ブラインドメイク講師 山田博子さん
「私は綺麗になります。私はしっとりします」
「美しくなーれ」
「綺麗になるわー、気持ちいいわー」

ここは都内のメイク教室。ただ、生徒の前に、鏡が置かれていません。

吉本花奈好さん
「これでどうですか?」

ブラインドメイク講師 山田博子さん
「大丈夫そうかな。上手に塗れていました」

この日、初めてレッスンを受ける吉本花奈好さん(27)。生まれつき目に障害があります。

吉本花奈好さん
「普段見るものは大まかな形だったり、色だったりで判断していることが多いです」 

そこで教わっているのが、視覚に障害がある人が鏡を使わずにメイクができる“ブラインドメイク”。

講師の山田博子さんに話を聞きました。

喜入友浩キャスター
「ブラインドメイクの肝はどんなところですか?」

ブラインドメイク講師 山田博子さん
「手が目であるということと、手が道具であるということ。左右同時に同じ分量を取り、同じスピードで、同じ力関係で、余すところなく同じように動かしていく」

さらにブラシを使うときは、ムラがないように塗る動かし方を、機械的に体に染み込ませます。覚えるのも大変なのだそうです。

吉本花奈好さん
「忘れそう」

ただ、こうすることで、鏡で確認できなくてもきちんとメイクができるのです。

ブラインドメイク講師 山田博子さん
「ブラインドメイクの力は、やっぱり人生を変えられる。メイクをすると本当に心が変わるんですよ」