「ツキノワグマ出没警報」が発表された青森県内。
十和田市では、クマの映像が撮影されました。2025年は4月から全国でクマの人的被害が多く、2024年の3倍以上。

専門家は、青森でも「里へおりる可能性が高い」と警戒を呼びかけています。

成獣と見られるクマがカメラに近づき、確認する様子がはっきりと記録されています。クマは、近くにあるカメラにもすれすれまで近づき、通り過ぎていきました。

この映像は1日午後3時過ぎ、十和田市焼山の山あいに設置された定点カメラ3台が捉えたものです。

設置したのは、東北巨木調査研究会の高渕 英夫 会長です。

東北巨木調査研究会 高渕英夫 会長
「ここにもカメラがあったんだけれども映っていなかった。ということは、そこ2台と向こうにカメラがあるから、クマは山道を歩いていったんだね。(冬は)どこを歩いても雪の上だから歩けるけど、夏場は歩きやすいところを歩く」

高渕さんは、2019年からクマの撮影を続けていて、2025年は1日が初めての撮影。2024年よりも6日遅いということです。

ただ、全国では2025年、4月からクマの出没が相次いでいます。
岩手県盛岡市では4月2日、寺の敷地内にクマが入り、麻酔を打たれ捕獲されています。

人的被害も多く、2025年は全国で4月だけでも11人。2024年の3倍以上にのぼります。

2025年は、母グマの栄養状態がよく子グマがたくさん産まれていると見られ、里へおりてくる可能性が高いということです。

東北巨木調査研究会 高渕英夫 会長
「オスのクマは山の奥にいて、自分の縄張りがある。その関係で若いクマや子連れのクマはオスのクマが怖いから、安全なところに下りてくる感じで、里に来るのではないかと思っている」

これまでで最も早く、5月1日に「ツキノワグマ出没警報」が発表された県内。

2024年は八甲田でタケノコ採りの女性が襲われ死亡していて、県はこれから本格化する山菜採りシーズンでの警戒を呼びかけています。