国民民主党が提出した「若者減税法案」が波紋を広げている。30歳未満の所得税軽減を目指す法案だが、世代間の分断を煽るとの批判が噴出。さらに、与野党とも物価高対策として消費税減税を主張し、参院選の争点が見えにくくなっている。減税をめぐる動きを解説する。

30歳未満の所得税軽減「若者減税法案」って?

国民民主党が4月初めに提出した「若者減税法案」は、30歳未満の若者を対象に所得税を軽減するというものだ。この法案の目的は、所得税の基礎控除額を引き上げることで、若者の税負担を軽減し、可処分所得を増加させること。そうすることで、消費の活性化や少子化の進行に歯止めをかけることを期待しているという。

国民民主党の玉木代表は法案提出後に取材対応した際、「若い人たちの生活や暮らしや仕事をしっかり応援し、人生の最初のスタートの時期において、いろんなお金がかかるというところを減税措置で支援していこう」と法案の趣旨を語った。

しかし、なぜ30歳未満に限定したのだろうか。玉木代表は「博士号を取得する28、29歳を基準とする」と説明したが、党内では「根拠は全く無い」と指摘する声もあるという。政治部記者の取材に対し、ある党内関係者は「政治的な判断として『えいや』で決めた面もあるのではないか」と話す。