さらば、卵
5月9日の朝、ついにハトの卵を捨てる時が来た。封筒から取り出した許可証には、申請時に記入した情報が印刷されている。

さっそく卵を回収しよう。ハトの卵やフンには雑菌などが付着している可能性があるため、ビニール手袋を着用して手に取ってみる。
やはり軽い。ビニール袋に入れてはかりに載せると、袋の重さを除いて17gだった(ニワトリの卵は平均約60g)。

小さな命の重みを感じ、心の中で「ごめんね」とつぶやきながらゴミ袋へ。月曜日、卵は「燃やすゴミ」として収集された。
捨てて終わり…ではない
実は、最後にもう一仕事残っている。許可証の右下にある「報告欄」に、改めて「採取した場所」「採取した数量」などを記載。許可期間終了後から30日以内に、市役所宛に返送する必要がある。
4月30日の発見から10日、長かった卵との共同生活が終わった。母はしみじみ語る。
「こういう法律があるなんて知らなかったなあ。卵は小さくてちょっとかわいいけど、やっぱり困るよね」