シリーズ「昭和からのメッセージ」今回は戦前、鹿児島で活動した女性詩人、藤田文江です。24歳で亡くなり、活動期間も短かったことからあまり知られていませんでしたが、このほど全集が出版されました。

戦争に向かう時代に書かれたその詩が再び評価されつつあります。現代にも響くメッセージとは?

東京の書店で先週、本のフェアが始まりました。戦前モダニズム文学関連の本を集めた棚のメインに藤田文江の全集がありました。

国内有数の詩の専門誌は、今月号に「発掘された昭和の声」として全集を紹介する記事を掲載。詩人・藤田文江が今、少しずつ注目を集めています。

藤田は、明治41(1908)年に父親が仕事で赴任していた奄美大島で生まれ、幼少期を日本統治下の台湾で過ごしました。15歳の時に鹿児島市に戻り、鹿児島二高女現在の甲南高校在学中に詩を書き始めました。

その後、教員になったものの、病気がちだったために退職。それでも詩を書き続け、鹿児島から全国各地の詩の雑誌に作品を投稿していました。