障害物ないのに… 高さ制限ゲートが設置されている奇道

愛知県稲沢市のJR東海道本線沿いに北上すると、上り坂の入口に高さ制限2mのゲートが設置されています。しかし、周囲には障害物が見当たらず、ゲートが設置された理由が分かりません。

また、坂を上って右折した先にある橋の上には遮断機と踏切がありますが、線路の高圧電線に接触しないために設置された規制標識は高さ4.5m。高さ制限2mのゲートと結びつきません。

この場所は3本の線路が道路の下をくぐり、1本だけが高架で踏切になった珍しい構造。近くの住民の話によると、東海道本線の上に架けられている橋は2009年に改修。今の姿になる前は、高さ2mに満たない欄干の橋が架けられていました。

この橋をトラックが通った時、積荷が誤って線路に落下する事故を防ぐために高さ制限2mのゲートが設置されたそう。現在の橋にはフェンスが設置されていますが、その高さ以上の大型車の積荷の落下を防ぐ必要があるため、ゲートは撤去していないと言います。

この奇道の近くには、1984年まで稲沢操車場という貨物列車の荷物の積み下ろしや編成を組み替えるための施設があり、中部地方最大の貨物列車の基地で日本三大操車場と呼ばれ、貨物輸送の重要な拠点でした。

現在も貨物庫として使われており、東海道本線と並行して貨物列車の上下線が走っていて、橋の上にある踏切は貨物列車が通るために存在しています。