N君の入園が実現「つなぐ」のサポート
2021年9月、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」が施行。
法律の施行を受け、長崎県は2022年8月、長崎県医療的ケア児支援センター「つなぐ」を設立しました。県内の18歳未満の医療的ケア児は197人(令和4年3月「長崎県医療的ケア児等実態調査結果報告書」より)。

生きるために酸素吸入が必要なN君。保育所に入るためにはどうすればいいのか?看護師のサポート?費用は?受け入れ先は?ーさまざまな疑問と不安を抱えながら頼ったのは「つなぐ」でした。
センターの支援によって、N君は長崎県雲仙市の幼稚園に通えることが決定!酸素吸入を続けながら、元気に通園しています。
長崎県医療的ケア児支援センター「つなぐ」センター長 岡田雅彦医師:
「以前は救えなかった『命』が医学の進歩で救えるようになりました。でもその『命を維持』するために、何らかの医療ケアとともに生きていかなければいけない人たちがいます」
きょうだいへの影響
岡田医師は、医療的ケア児と社会との間にある「壁」が、きょうだいにも影響を及ぼしている現実を指摘します。
長崎県医療的ケア児支援センター「つなぐ」センター長 岡田雅彦医師:
「同世代の友達の中で育ってほしいと願っても、受け入れる側の『何かあったらどうしよう』という不安やスタッフ体制の課題から、拒否されるケースがある。外出する際には大きな人工呼吸器や吸引器を持ち歩かねばならず、親は《もしアラームが鳴ったら迷惑をかけるかも》と外出を控え、医療的ケア児だけでなく、そのきょうだいの外出機会も減っていく現状があります」