1日100回の「吸引」

「医療的ケア児」となったM君。
吸引や経管栄養、体位変換、清拭、排泄などのケアで命をつなぐ日々が始まりました。吸引は多い日で1日100回に及びます。経済的なやりくり、今後の仕事、きょうだいの生活…。先が見通せない中、不安と疲労と緊張が、家族を追い込んでいきました。

M君の母親:
「医療的ケアは一瞬のミスが命取りになります。緊張感と向き合う日々で、当初は気が休まる時間はありませんでした」

ゴールデンハー症候群のN君

3歳のN君は、「ゴールデンハー症候群」という先天性の病気を抱えて産まれてきました。頭蓋顔面発達の障害、眼・耳・脊椎の奇形を伴う病気です。さらにN君は心疾患と難聴も抱えており、酸素吸入も日常的に必要です。N君と生きていくために、母親はこう願っていました。

N君の母親:
「N君を保育所に入れて、私も復職したい。でも、どうしたらいいのかわからなかった」