家事と仕事の両立に対する安藤氏のリアルな思い

セットを手掛けた安藤氏自身も、本作のテーマに深く共感している。特に家事と仕事の両立に奮闘する礼子の姿は、自身の未来にも重なる部分があり、強く印象に残ったという。「仕事の忙しさに波がある職種なので、家事と仕事を両立できるのか不安を持っていたんです。この作品と出合って、今は当事者ではないけれど、自分も礼子さんのように“負”という穴に落ちてしまうのではないかと考えさせられました。それと同時に詩穂さんのような人が周りにいてくれたら心強いのにと感じています」と本音も。

本作では、生活スタイルが異なる家庭の姿が描かれ、それぞれの視点で共感できる部分がある。主人公が自分の家庭だけでなく、周囲の人々を巻き込んで助け合う温かさに惹かれたと語る安藤氏。部屋を彩るカラーや小物、家具にも、登場人物らしさや家族の歴史がにじみ出ているのがわかる。皆さんのご家庭には、どんな“らしさ”が詰まっているだろうか? 近所のお宅を訪問する感覚で本作を見るのも面白いかもしれない。