去年10月に始まった、バレーボールの新リーグ・SVリーグ。その初代王者をかけた戦いが、いよいよ大詰めを迎えています。レギュラーシーズンを勝ち抜いた上位チーム(男子6チーム・女子8チーム)によるチャンピオンシップに突入し、先週末からは2戦先勝方式によるクォーターファイナル(準々決勝)が行われ、それぞれレギュラーシーズンの上位チームがセミファイナル(準決勝)進出を果たしました。
外国籍選手2人の同時出場が可能になったことで、よりハイレベルになったSVリーグ。圧倒的な強さを見せているのが、大阪を本拠地とする大阪ブルテオン(男子)とサントリーサンバーズ大阪(男子)、大阪マーヴェラス(女子)の3チームです。
「普段の自分たちの力を出そう」大阪マーヴェラスが精度高いバレーで敵を圧倒
女子では、レギュラーシーズンを1位で駆け抜けた大阪マーヴェラスが、Astemoリヴァ―レ茨城(レギュラーシーズン8位)をクォーターファイナルで圧倒。キャプテンの田中瑞稀選手が「チャンピオンシップということを意識せずに、普段の自分たちの力を出していこう」とチームメートに声をかけたといい、序盤から安定感抜群の戦いぶりでリヴァーレを突き放しました。
第1セット、レギュラーシーズンでも高い決定率を残してきたサーブで攻めようとするリヴァーレですが、マーヴェラスはキャプテンの田中選手、リベロの西崎愛菜選手、アウトサイドヒッターの林琴奈選手を中心に落ち着いたレセプションで対応。そこから、持ち味の多彩な攻撃を繰り出して点差をひろげていきます。相手にほとんど連続ポイントを許すことなく第1・第2セットを25対16で連取しました。
迎えた第3セット。狙いを変えてきたリヴァーレの前に、中盤まで競り合う一進一退の攻防が続きます。ここで酒井大祐監督は、攻撃の中心であるセッターの東美奈選手とエースのリセ・ファンヘッケ選手を、それぞれ塩出仁美選手と宮部愛芽世選手にスイッチ。代わった2人が大事なポイントを確実に決めて、20対16と4点のリードを奪います。その後コートに戻った東選手とファンヘッケ選手の2人が活躍し、このセットも25対21。選手層の厚さとともに、一人一人がレベルの高さをみせた大阪マーヴェラスが、大事な初戦をストレートでものにしました。
翌日の第2戦も序盤で抜け出し第1セットを先取すると、第2・第3セットは、リヴァーレに一度もリードを許さず、この試合もストレートで勝利。外国人選手の高さとパワーを武器に、力で押し込んでくるリヴァーレに対して、持ち味の精度の高いバレーを披露して危なげなくセミファイナル進出を決めました。
「このチームの良さは、一人一人が高い集中力を保ちながら、しっかりとそれぞれの仕事ができること。まだまだ、攻撃力、決めきる力という点では不安が残るが、まずは精度の高いバレーを展開しながら、スパイカーが強く打てるシチュエーションをできるだけ多くしていきたい」と語った酒井大祐監督。選手への信頼とともに、築き上げてきたバレーへの自信をのぞかせました。
その大阪マーヴェラスが4月25日(金)から、ホームである大阪のパナソニックアリーナで迎え撃つセミファイナルの相手は、第2戦で粘る埼玉上尾メディックス(レギュラーシーズン5位)を、フルセットの末振り切ったデンソーエアリービーズ(レギュラーシーズン4位)。酒井監督は、「連勝でと言いたいところだが、3戦のうち2つ勝てれば、次のラウンドに進める。そのためにも、目の前の一つ一つ。まずは、しっかりと心身ともにコンディションを整えて初戦を取りたい」と目の前の一戦に集中する決意を示しました。