言葉の壁から学校に馴染めない子どもたち


ある日、ヴァレリさんは、小学校へ娘たちを迎えに向かいました。娘3人は安城市内の公立小学校に通っています。

娘たちが小学校に通い始めて3か月が経った今も学校に馴染めていません。

(ウクライナから避難・ヴァレリさん)
「言葉がわからないので、他の子どもたちとのコミュニケーションが難しいのだと思います」


小学校から帰宅すると、自宅で父親のヴァレリさんが三女のエリザベータさんに勉強を教えています。言葉の問題から学校の授業だけでは不十分と考えているからです。娘に教える一方で、ヴァレリさん自身も日本語を勉強します。

(妻・オレーナさん)
「自分たちも日本語を学びながら、子どもたちに勉強を教えるのはとても大変です」

ヴァレリさん夫婦とエリザベータさんが日本語を勉強している間、長女と次女はウクライナ語のオンラインレッスンを受けていました。日本に避難したことでウクライナ語を学ぶ機会がなくなったため、オンラインで勉強しているのです。

特に長女のオレクサンドラさんは、ウクライナ語の勉強を続けたかったため、戦争が終わればすぐにウクライナへ帰りたいと願っています。長引く戦争は子どもたちの学びや成長にも影を落としています。

「困難は乗り越えられると信じている。大丈夫」平和を待ちわびる一家


10月8日、一家は名古屋・栄で行われたウクライナの平和を訴えるデモ活動に参加。この地方に住むウクライナ人や支援者が主催したもので、ウクライナからの避難民も多く参加しました。

(妻・オレーナさん)
「自分の故郷の街が破壊されていることは非常に悲しく思います」

この日は、デルカッチさん一家の故郷・ハルキウへの募金活動なども行われ、最後にウクライナの国歌が歌われました。

この翌日、ロシアとクリミア半島を結ぶ橋で大規模な爆発が発生。プーチン大統領はウクライナによる「テロ」と主張しました。ロシア軍は、報復として首都キーウの民間施設などを爆撃し、ウクライナ当局は民間人を含む100人以上が死傷したと伝えています。


(ウクライナから避難・ヴァレリさん)
「ウクライナの状況は再び変わりました。どんな困難があっても人生は続き、私たちは乗り越えられると信じています。大丈夫」

“大丈夫”という言葉を支えに、平和が来る日を待ちわびる日々が続きます。

CBCテレビ「チャント!」10月19日放送より