大阪など関西6府県と徳島は「マクド」新潟、兵庫、広島、宮崎では両方とも使われる
読売新聞社が 2000 年代に入ってから各都道府県の県庁所在地などでマクドナルドのことをどう呼んでいるかを調べた分布図では、東日本、北陸、中国、徳島を除く四国、九州の広い範囲で「マック」と呼ぶのに対して、関西出身の方や、仕事や学校の関係で関西にいらっしゃった方はよくご存知かと思いますが、関西の6府県と四国の徳島県で「マクド」と呼んでいるのが分かります。新潟、兵庫、広島、宮崎では「マック」と「マクド」の 両方が使われていました。
マクドナルドの第 1 号店が東京の銀座にできたのが 1971 年。「マック」と「マクド」の二通りの言い方が存在したことは 1993 年の当時専修大学にいた社会言語学者の永瀬治郎さんの全国約 200 人の大学生を対象とした調査で分かっていますので、マクドナルドの日本上陸からわずか 20 年ほどで略称の地域差が生じたことになります。
永瀬さんは、最初の 1993 年の調査のあと、97 年と 2005 年の 3 回にわたって全国の大学生を対象にマクドナルドの略称を調べていますが、93 年調査で「マクド」が広がっていたのは、大阪など関西の 4 府県と石川、鳥取、島根のほか香川を除く四国3県でしたが、
97 年調査では関東地方でも「マクド」を使う学生が現れていました。93 年調査の石川もそうですが、おそらく関西出身の学生が関西地方以外にも「マクド」を持ち込んだのだろうと思われます。
「マック」を使っていた人にとっては、「マクド」という呼び方が珍しくインパクトがあったので、90 年代には関西以外でも使う人が出てきたということなのでしょう。それが 2000 年代に入ると「マック」が一般的になり、「マクド」は関西と四国の徳島以外ではほとんど使われなくなったようです。