備蓄米の放出から早1か月以上。そろそろ、価格が下がっても良い頃ですが、先ほど発表されたスーパーでの価格は、5キロあたり4217円となり15週連続で高値を更新しました。

記者
「お米がずらっと並んでいますが、すべてのお米、5キロで4000円を超えています」

今や物価高の主役となっている日本人の主食「コメ」。

先ほど発表されたスーパーでの平均価格は、前の週より3円高い、5キロあたり=4217円に。15週連続で高値を更新しましたが、値上がり幅は縮小傾向です。

関東にあるスーパー3店舗では、1か月前に4000円台を切るものもありましたが、最新の価格ではどこも4000円超え。備蓄米を放出する前より値上がりしていることになります。

こちらのスーパーでは備蓄米を求める人の姿が。

来店客(80代)
「高い。出てないもんね政府米の…備蓄米。10何万トン出てると言うけども、全然出てないですよ。どこ行ってるのか」

コメの値上がりを受けて、食べる回数を週2回に減らしたと言います。

来店客(80代)
「コメ好きだからよく買うんですけど、控えちゃいますね。4000円超えるとなかなか買いづらい。(Q.5000円になったら)食べないよね、それこそ」

4000円以下のコメを見かけることが少なくなった今、指摘されるのは備蓄米の“流通のあり方”です。

江藤拓 農林水産大臣
「(流通が)スムーズだというふうに私として申し上げるつもりはありません」

それもそのはず。1回目に放出した備蓄米およそ14万トンのうち、先月下旬までにJAなど大手集荷業者が引き取ったのはわずか4071トンで、そのうち卸売業者に渡ったのが2761トン。そして、スーパーなどの小売店や飲食店にたどり着いたのが、全体のごくわずか“0.3%程度にあたる”461トンにとどまったのです。

備蓄米の多くは大手スーパーを中心に出回っていて、中小の小売店などには十分に流れていません。

ベニースーパー本部 赤津友弥 本部長
「備蓄米に関してはノーチャンス。売ることはできない状況。付き合いのある問屋は一切持っていないので、私達は(備蓄米を)並べることができません」

おにぎりなどコメを使った商品を値上げするコンビニ各社では、▼セブン-イレブンは「玄米」を使用した冷凍おむすびを213円で順次販売。▼ナチュラルローソンはあすから一部店舗で白米から「もち麦」に、一部置き換えて売り出します。

健康志向に応えつつ、あの手この手でコメを安定的に届けたい考えです。

依然、値上がりが続くコメ。今後、価格の安定につながるかどうかは不透明です。