6年前、火災で焼失した首里城。現在進んでいる「令和の再建」では、これまでにない新たな試みが行われています。琉球の時代に使われていた「幻の赤色」を復活させようというもの。成功のカギとなったのは、ある意外な発見でした。
「絶対に直してやろうって」 焼失後、地元・沖縄で漆芸職人に

一筆一筆、塗り入れられる艶やかな赤。
琉球漆芸職人
「全部塗って完成形を見るのが楽しみ」
「きれいな首里城をお客さんに見せたいなと思います」
6年越しに、鮮やかな色が返ってきた沖縄の象徴・首里城です。

2019年10月、沖縄は大きなシンボルをなくしました。
地元住民(当時)
「悲しいですね。本当に沖縄の文化遺産でしょう」
11時間も燃え続け、正殿を含む7棟が一晩にして焼失。

琉球漆芸職人 宮城杉乃さん
「また焼けちゃうんだ、みたいな、自分たちがシンボルみたいに思っていたものって、結構、簡単になくなってしまうんだという喪失感」
そう語るのは琉球漆芸の職人・宮城杉乃さん(30)です。
「漆芸」とは、色のついた漆で、ものを装飾する伝統工芸です。
宮城さんは、大学で漆芸を専攻した後、県外で働いていました。しかし、地元・沖縄の首里城が焼失し、沖縄に帰ることを決めました。

琉球漆芸職人 宮城杉乃さん
「首里城が焼けた時点で『絶対に直してやろう』って、こういう時に力になれるために(漆を)やっていたのかなって。『やってやろう』という感じがあります。楽しみにしていてください」
職人の熱い思い。令和の復元では、その技を存分に発揮する新たなチャレンジがあります。