■なぜこのタイミングで決断 岸田政権への影響は

小川彩佳キャスター:
山際大臣が事実上の更迭となりましたが、ここに至るまでの経緯を改めて整理します。

山本恵里伽キャスター:
山際氏を巡っては、内閣改造前から旧統一教会の接点について指摘があがっていました。ですが、認めたのは留任が決まった8月10日、当日のことでした。


その後、教団側との接点が次々と明らかになる中で、予算委員会では不安定な答弁が続いていました。野党側からも、更迭を求める声が上がっていましたが、10月24日の夕方、辞任の意向を示したという形です。

小川彩佳キャスター:
山際大臣を巡っては、総理はいつ決断するのかということも言われてきましたけれども、なぜこのタイミングの決断になったんでしょうか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
経緯を振り返ってみますと、そもそもその8月の内閣改造のときに接点が取り沙汰されていたのに、それを認めたのは留任の後ということで、岸田総理も、これには非常に不快感を示していたんです。

それから次のタイミングとしては、臨時国会の前に辞任ということもあったんですが、これは本人が事実上、拒んだと。所属する麻生派も、ちょっと受け入れないという動きだったんです。


そうこうしてるうちに、予算委員会で追及が続きまして、やはりまともな答弁ができないということになりました。実は28日に総合経済対策が閣議決定される予定なんですが、山際さんがその責任者なんで、山際さんをそこまで引っ張るのかなという動きもあったんですけれども、さすがにもうこれ以上続けると、国会の審議が持たないという判断で、最終的には本人が辞任を申し出たということですが、事実上、岸田総理が更迭したという形です。

小川彩佳キャスター:
後手に回ったというふうにも見えますけれども、この鋼鉄の背景には、岸田内閣の支持率が影響しているとも思われます。毎日新聞の最新の世論調査によりますと、支持すると答えた人は27%と前回より下がりまして、不支持は65%。今回の山際氏の辞任、今後の岸田政権にはどんな影響を与えることになりそうですか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
重要なことは、この一連の“旧統一教会”の問題で初めて閣僚の辞任ということに発展したということです。この問題、非常に深刻だと思います。岸田総理はこれを受けて局面転換といいますか、今後は経済対策を中心に、政策を進めていくことでその信頼を回復していくんだという方針なんですが、野党側はそうはいかないと言って、次から次へと疑惑追及を進めるでしょう。

それを自民党の中がどう見ていくかですね。岸田総理と一緒に経済政策を進めていきましょうという結束の方向に向かうのか、これはもう岸田さんではもたないな、という声が広がってくるのか、まさにその別れ目でして、岸田さんのこれからの捌き次第では、政権崩壊の第一歩ということになりかねない、そういう厳しい局面だと思いますね。

小川彩佳キャスター:
一つの分水嶺ということになりますね。