日本政府とアメリカ政府の関税交渉が行われ、トランプ大統領も急きょ参加しました。両政府は早期の合意を目指すことで一致しました。

笑顔で並ぶ赤沢経済再生担当大臣とトランプ大統領。トランプ大統領がSNSに投稿した写真です。

トランプ大統領と赤沢大臣の会談という異例のかたちで始まった日米の関税交渉。トランプ大統領がSNSで突然出席を表明したのは、会談のおよそ10時間前、日本時間のきのう午後7時過ぎでした。

アメリカ トランプ大統領
「日本が関税と軍事支援のコスト、そして『貿易の公正さ』について話し合うためにやってくる。私は財務長官と商務長官とともに会議に出席する」

唐突な出席表明を受け、日本政府は急きょ対応を協議。

林官房長官
「今まで準備してまいったことに、さらにその(トランプ氏参加の)前提を加えて、いろんな準備をさせていただいたところです」

アメリカに到着した赤沢大臣は…

赤沢経済再生担当大臣
「(Q.大臣、トランプ大統領が出席を表明しましたが)大変ありがたいことだと思います」

そして、日本時間のきょう午前5時半過ぎ、トランプ大統領と赤沢大臣の会談が始まりました。

日本側の発表によりますと、会談はホワイトハウスでおよそ50分間行われ、アメリカ側からはベッセント財務長官やラトニック商務長官、グリア通商代表らが同席。トランプ大統領は「日本との協議は最優先だ」と発言したということです。

その後、トランプ氏は参加しない閣僚級の協議が行われました。

会談後、記者団の取材に応じた赤沢大臣。

赤沢経済再生担当大臣
「ちょっとなんかお茶ある?」

会談の緊張がまだ残っているのでしょうか。トランプ大統領については…

赤沢経済再生担当大臣
「(自分は)格下も格下。(トランプ大統領が)出てきて話をしてくださったことは本当に感謝している。本当に大統領の器の大きさというか、温かさというか、配慮は非常に強く感じた」

今回の関税交渉で、赤沢大臣はアメリカ側に「相互関税」や自動車関税などについて「極めて遺憾だ」と伝え、見直しを強く要求。

日米両政府は、▼可能な限り、早期に合意し、両首脳による発表を目指すこと、▼次回の協議を今月中に実施すべく日程調整すること、▼閣僚レベルに加え、事務レベルの交渉も継続することで合意したということです。

また、赤沢大臣は為替をめぐる議論はなかったと説明した一方、在日アメリカ軍の駐留経費の負担など、安全保障をめぐる議論は行われたことを示唆しました。

一方、トランプ大統領はSNSで…

アメリカ トランプ大統領
「貿易に関する日本の代表団と会談できたことを大変光栄に思う。大きな進展だ!」

こう投稿し、成果を誇示しています。

また、ホワイトハウスのレビット報道官は、トランプ大統領が赤沢大臣と会談した理由について「トランプ大統領が交渉に直接関与したいからだ」と述べました。