通常のお札と比べてみると、ほんのわずかですが、小さくなっている新しい1万円札。「偽札かもしれない」との情報提供をもとに、その正体を追いました。

去年7月に発行された新1万円札ですが、上のお札は青みがかっているように見えます。定規で測ってみると、上のほうが3ミリほど小さくなっています。

この小さい1万円札が「偽札かもしれない」と、JNNに情報が寄せられました。

小さいお札の持ち主 遠藤晋弘さん
「どうしたらいいかなと思ってね」

こちらの男性。もともと、飲食店の人が持っていたお札を交換してもらったといいます。

遠藤晋弘さん
「『変なお札が入ってる』と言うから、見せてと言ったらこれだった。『気持ち悪い』と言うから、替えてあげるよって言って替えた」

ただ、偽札かどうかの判別ができません。

遠藤晋弘さん
「きちんとすかしも入っているし、すかし入れてホログラムもやって、相当な技術力がないとできない」

悩んだ末、警察で調べてもらうことに。そのおよそ1か月後、警察が鑑定した結果…。

神奈川県警
「科捜研の方で鑑定しまして、本物で間違いないです」

偽札ではなく、「本物」でした。

遠藤晋弘さん
「ちょっと使う気がしないね。しばらくはこれを自分の手元に置いといて温めときますよ。そのうち欲しい人が出てきて、2万円で買うと言うかもしれない」

なぜ、小さい1万円札が世に出回っていたのでしょうか。古銭ショップで聞いてみました。

アンティークコインギャラリア 中田怜子 取締役
「(Q.お札が縮むことはありますか)縮みます。みつまたと楮という自然繊維を集め、特殊な配合で作られたのがお札。すごく長い繊維を使ってお札は作られている。その分、収縮もしやすいというメカニズムになっています」

紙というのは、繊維が短いとトイレットペーパーのように簡単にちぎれます。お札には長い繊維が使われていて、ちぎれにくい反面、水に濡れると、たまに縮むことがあるそうです。

アンティークコインギャラリア 中田怜子 取締役
「(Q.割とよくある)よくはないけど、持ち込まれたことも」

さらに、液体洗剤の影響で色が変わった可能性があるといいます。

縮んだお札は自販機やATMなどで使えないことがあるそうです。日本銀行は…。

日銀の担当者
「使用が困難となった日本銀行券については、引換えを行っております」

あなたのお財布にも、縮んだお札が入っているかもしれません。