流氷の役割と失われる影響

北の海、特にオホーツク海では冬になると一面に流氷が押し寄せ、海がまるで大陸のようになります。この流氷によって気温が著しく下がるのですが、もし流氷が来なくなると、その地域は暖かいままとなり、北海道の気候にも変化が生じます。

気象予報士 森朗氏:
実は人にも大きな影響を与えるんです。海水温が上昇し流氷が来なくなると、流氷が運んでくる栄養分を吸収してプランクトンが育ち、それを小魚が食べ、大きな魚やアザラシ、トド、海鳥へと続く海の食物連鎖が崩れてしまいます。
その結果、この生態系の一部である漁業も大きな影響を受けることになるのです。

流氷は「海の生態系」のバランスを維持する役割を果たしていましたが、それがなくなると…(イメージ)

気象予報士 森朗氏:
オホーツク海や北極海の氷が減少すると、低気圧の通り道が変わり、その結果、日本などで異常気象が発生する可能性が高まります。

温暖化が進む一方で日本海側で大雪が降るなど、一見矛盾するような現象も、流氷の減少が引き金となっているかもしれません。