米中で貿易摩擦が過熱するなか、中国の3月のアメリカ向けの輸出は、前の年の同じ月と比べて9.1%増え、貿易黒字がおよそ20%拡大したことがわかりました。

中国税関総署が14日発表した貿易統計によりますと、3月のアメリカ向けの輸出は前の年の同じ月と比べて9.1%増の400億6110万ドル、およそ5兆7000億円でした。

一方、アメリカからの輸入は9.5%減の124億8070万ドル、およそ1兆7760億円で、貿易黒字がおよそ20%拡大しました。

アメリカのトランプ政権が2月から中国に対する関税の引き上げを行うなか、駆け込みで在庫を出荷するなどしたため輸出が伸びたとみられています。

中国税関総署の担当者は、「中国の輸出は確かに複雑で厳しい対外状況に直面しているが、世界が終わるような状況にはならない」と述べ、今後、トランプ政権との関税戦争の激化を見据え、市場の多角化を進める考えを示しました。