トランプ大統領が打ち出した相互関税ですが、発動からわずか半日で一時停止が発表されました。ただ、中国だけはその対象外とされ、米中の貿易戦争は激しさを増しています。
政権内部の瓦解も…広がる“トランプ関税”の余波

4月10日、トランプ氏のキャッチコピーを載せた帽子の画像をSNSに投稿したのは、中国外務省の報道官。
中国製のタグがつけられ、関税への皮肉なのか、値上げされています。

“トランプ関税”の経済への影響が懸念され、株価も乱高下。それでもこの人は...
トランプ大統領
「(株価の)下落は望まないが、治療のためには、時には薬が必要だ」
ただ、トランプ政権内でも不協和音が...

イーロン・マスク氏
「最終的に、欧州と米国が関税ゼロの状況に移行するよう、合意できるのが望ましい」
異議を唱えたのは、マスク氏。これに関税政策を推し進める、大統領上級顧問のナバロ氏が噛みつきます。

ナバロ 大統領上級顧問
「彼は自動車メーカーではなく、組み立て業者だ」
マスク氏のテスラ社が、輸入部品に依存していると批判したのです。対するマスク氏は...

マスク氏
「ナバロ氏は、本当にバカ」
などと、応戦する事態に。
そんな中でも、トランプ氏は意気軒昂。関税をかけた相手国を揶揄し、優位な立場をアピールします。

トランプ大統領
「彼らは次々に電話をかけてきて、私の尻にキスをしている。死ぬほど私と取引をしたがっているんだ。『どうか取引を成立させてください、何でもしますから』ってね」
ところが4月9日、突然、トランプ氏は「相互関税の90日間停止」を宣言したのです。

記者
「関税の停止はないと言っていたのに、停止を発表した。あなたの言葉をどう信じればいいのか」
トランプ大統領
「そういう問題ではない、柔軟さが必要なんだ。『壁を突き破って進む』と言っても、実際には突破できないこともあるんだ」
急転直下の決断の背景に、何があったのでしょうか。