アメリカと中国の「報復合戦」 関西の企業にも影響か
また、アメリカと関税の報復合戦を行っていた中国が注目されています。9日、中国はアメリカに対して84%の関税を課すと表明しましたが、それに対してトランプ大統領は、中国への関税を125%に引き上げ、ただちに発効させると表明。さらにホワイトハウスは10日、中国に課している関税が計145%になったと発表しました。
一方で「中国は取り引きをしたがっている。取り引きが行われるだろう」といったトランプ大統領の発言もありました。こうしたトランプ大統領の発言について、立岩氏は次のような見解を示しています。
(立岩陽一郎氏)「一つ推測としては『俺はわかっているんだよ』っていうことを言いたいのかなと。つまり、これが彼特有の“ディール(取引)”なんだと切り替えていく一つのサインなのかもしれないですね。中国に対しても、アメリカにとって良いことをしてくれれば変わってもいいんだよと。ただ、これを最初から計算してやっていたと推測するのは非常に難しい気がしますね。何度も言いますが、アメリカの中間層以下の方々の“中国製品がない生活”はちょっと想像できない。この辺りで報復合戦を終わらせたいという気持ちを匂わせている気がしますよね」
中国への影響について、三牧聖子教授は「トランプ関税が生む不確実性は中国に有利に働く可能性もある」と指摘し、中国は他国に「より信頼できる経済パートナー」としてアピールできるのではないかといいます。
また、日本総合研究所・関西経済研究センターの藤山光雄所長は、中国と取り引きしている企業が関西に多いことから「中国の経済が悪化すると関西の企業の業績が悪くなる可能性が高い」と指摘。インバウンドへの影響もあるのではないかと見ています。
2人の専門家の見解を踏まえ立岩氏は、アメリカに頼る日本の企業のあり方や、インバウンドを中国に頼る現状は変わっていかなければならないといい、良い意味でも悪い意味でも日本が変わるチャンスだと捉える必要があるのではないかと指摘しています。