足し算や引き算で生まれる、自己流レシピ
フードコーディネーターになったいきさつについて、「小学生の時にドラマを見て、洋食屋さんやケーキを扱うカフェのような店がやりたいなと思い始めたのがきっかけです」と振り返る石田さん。その後、調理を学べる高校に入り、在学中に調理師免許を取得した後に専門学校に通う中で、映画を観るのが好きだったこともあり、「お店を出すよりも、映像の世界に携われるフードコーディネーターの仕事がしたいと思い始めました」と明かす。
専門学校卒業後、飲食店勤務なども経て、「10年ほどかかりましたが、ご縁がありテレビ局の仕事をしているフードコーディネートの会社に入り、やっと夢にたどり着けました。5年ほど勤め、去年独立しました」と、現在は複数の作品を抱え、活躍している。
普段料理を作る際には、「自分が作ってみたいものや、食べてみたいものを作っています。家庭料理というよりは、ちょっと手の込んだものを、作ってみたいときに作ることが多いです」と、直感や好奇心に沿って料理と向き合っているという。
「いろいろなレシピを見て、〈このレシピのここがおいしそう〉と思ったものを、自分なりに、足し算や引き算をして作ることが多いです。ネットサーフィンをしていておすすめに出てくるレシピを見つけたり、急に〈あれが食べたい〉と思ったりしたときに、作ってみようと思いますね」と、新たなレシピに挑戦している。
最近では「圧力鍋にハマっていた」と言い、さまざまな煮込み料理を作る中で、カレーにも挑戦。「野菜がトロトロになってルウに溶け込んで、お肉しか形が残っていないカレーが食べたくなって作りました」という、具材を圧力鍋で煮たカレーは、「玉ねぎをじっくり弱火で炒め、あめ色玉ねぎにして圧力鍋に入れて、野菜は人参も全て崩れて、大きめに切った牛肉もホロホロになっておいしかったです」と成功。
「自分で一から考えるというよりは、調べて出てきたものを、自分が思う〈いいとこ取り〉のような感じで組み合わせたり、試しに別のものを入れてみたりしています。調味料も、レシピ通りには入れなかったり、自分で合いそうだと思ったものを入れてみたりします」と独自に調理法をアレンジ。「プライベートで料理する場合は、試作もせず、大ざっぱに作ることが多いです」と、自由に料理を楽しむ。