食卓を囲む大切さ 「当番制」のポイントも

ドラマでは、主人公の三津田拓三と、その元カノ・矢野口美愛、美愛の彼氏・里村新平が、自分たちらしい幸せを模索しながら一つ屋根の下で暮らす様子を描き、料理は3人の「当番制」となっている。3人に限らず、共同生活を営む中で、日によって誰が料理を担当するのかは、必ず出てくる問題の一つ。

石田さんは、「美愛さんは、周りよりも〈今日は自分がこれを食べたい〉〈でも作るのは面倒くさいから買おう〉というように、自分の食べたいものを買ってくるイメージ。新平さん担当の日は、彼は料理が作れるという設定なので、手作りが基本になります。ただ、新平さんも、基本的には自分が食べたい料理を作るというイメージです」と分析。「二人に関しては、ハンバーグやオムライスなど、若くてポップな料理が多いです」と続ける。

「それに対して、拓三さんは中立的な立ち位置で、例えばこってり系のものが続いていたら、〈そろそろ野菜いっぱいなものを取り入れよう〉とバランスを取ったり、皆の栄養面を気にしたりしているイメージです」と、二人との違いを考察。「自分の食べたいものばかりではなくて、たまにみんなでお互いの好きなものを作る。落ち込んでいるときや、良いことがあったときに、相手の好きなものを作って食べることもあって、3人でうまく当番を回しているなと思います」と、3人の絶妙なバランスが当番制の鍵になっていると言う。

その上で、「食事しながらの時間は、家族でも一番コミュニケーションが取れる大切な時間だと思います。家族が皆それぞれの別の時間を過ごしていても、〈ごはんだよ〉と言ったら一つの場所に集まってくる。皆が一緒にいられるその瞬間に、近況報告やたわいもない話をするのが、とても良い時間だなと思います」と、献立だけでなく食卓を囲む大切さについても触れる。

コロナ禍で黙食が求められた時期を振り返りつつ、「黙って食べると、料理そのものは楽しめたとしても、一人で食べるのと変わらないような感じがしてしまいます。おしゃべりと食べることが合わさってこそ、食卓の楽しさが感じられるんだなと思いました」と、食卓を囲むあたたかさを改めて実感。

「その時間を、より楽しくするちょっとした〈アイテム〉がごはんなのかなとも思います。そこでおいしくないごはんだと、機嫌が悪くなったり、楽しい話ができなかったりもしますよね。やはりおいしいごはんがあると、会話も弾んで楽しくなるなと思います」と笑顔を見せる。

ドラマストリーム『三人夫婦』より
ドラマストリーム『三人夫婦』より