中古ブランド品や酒 日本企業に痛手

トランプ関税はアメリカに顧客を持つ日本の企業にとって大きな痛手となっています。

JP.Company 荒木淳平代表
「1日1000商品くらいですかね、平均すると。(年間で)25万~30万商品売れている」

中古のブランド品を扱う都内の会社。世界最大級のアメリカのオークションサイト「イーベイ」を介し、販売しています。売り上げの7割がアメリカの客だといいます。

中古品市場から仕入れた商品は、本物かどうかを確認する検品や修理などを経てサイト上に出品されます。

JP.Company 荒木淳平代表
「ヴィトンのバッグもあるしグッチのバッグとか。ガーデン・パーティ。定番の商品、エルメスの。30万円くらい。これは売ってるものだが、うちが強いルイ・ヴィトン。(Q.身長を超えてますが)174㎝なんですけど」

日本の中古品が人気だというアメリカ。こちらでは毎週、アメリカの客向けに商品を紹介するため英語でライブ配信を行っています。いま一番の関心は、トランプ関税です。

ライブ配信
「トランプが課した関税についてどう思いますか」
「私たちにとって大事なことで、みんな心配しています」

視聴者からは、トランプ関税に否定的な声が多く寄せられました。

コメント
「私たちの大統領は正気じゃない」
「関税には不満です」

代表は危機感を強めています。

JP.Company 荒木淳平代表
「一番は売れ行きが落ちるのは間違いない。買い控えはかなり起きるんじゃないか。アメリカだけだったところをもうちょっと広角打法にする感じ。ヨーロッパ・アジアで売ることを視野に入れないとビジネスとしては厳しい」

冷や水を浴びせられた企業は他にも。

Agnavi 玄成秀CEO
「北斗の拳とコラボさせていただいた。日本の漫画とのコラボ、日本酒×アニメが非常に人気の高い商品」

「和」のテイストを前面に押し出したデザインの缶。日本酒を手軽に楽しめる一合缶です。手がけた企業は日本各地の蔵元と手を組み、アメリカでの市場開拓を目指しています。夏からの輸出に向け、6社と商談を進めていました。ところが…

Agnavi 玄成秀CEO
「当初1万本~1.2万本の輸出を提案していたが、そこに関しては1回ストップしたいというお話があった」

日本での販売価格は600円、アメリカでは1600円の予定でしたが、関税で2000円に値上げする見込みに。アメリカ進出への不安は募る一方です。

Agnavi 玄成秀CEO
「小売価格が上がるということは、その分お客さんが手に取りにくくなってしまう。そこは非常に懸念しています」

さらに、日本経済へのリスクが高まる恐れも。日本との交渉を担当するグリア通商代表は、議会上院の公聴会でこう発言しました。

グリア通商代表
「日本の市場への参入を拡大したい。農産品の市場参入を拡大し良好にしたい」

グリア氏は、農産品の市場開放や工業製品をめぐる規制の見直しなどを求めていく考えを示しました。

アメリカと中国の貿易摩擦も、底なしの様相を呈しています。