アメリカのトランプ大統領による「相互関税」の表明を受け、アメリカなどに商品を輸出している熊本県内の業者からも不安の声が相次いでいます。

日本食ブーム×円安の有望市場が…

本格焼酎を製造・販売する「繊月酒造(熊本県人吉市)」では、出荷量全体のうち輸出は数%ではあるものの、最大の輸出先はアメリカです。

アメリカでは「繊月」「川辺」など主力商品も好調ですが、球磨焼酎の認知度を高めようと2021年に販売を始めた「МUJEN(ムジェン)」は、アメリカ国内だけの限定商品で人気を呼んでいました。

アメリカは日本食ブームやこれまでの円安傾向もあり有望な市場でしたが、高い関税は不安材料です。

繊月酒造 堤純子社長「焼酎・日本酒も2024年12月にユネスコの無形文化遺産に『伝統的酒造り』として登録され、これから海外で認められたいと業界も思っていたので、水を差す状況にならなければ」

繊月酒造 堤純子社長

「МUJEN(ムジェン)」のうち最も高い商品の販売価格は現在、1万5000円程度ですが、相互関税が適用されれば2万円近くになる見通しで、売り上げの減少が懸念されます。

球磨焼酎の原料のコメの価格も高騰していて、対応に苦慮しています。

堤社長「(相互関税導入が)3か月後、半年後なら考える準備期間があったが、猶予が全くない状況だったので、どう対応すべきか、至急考えないといけない」