9月に開催される東京2025世界陸上の女子マラソン代表に選出された安藤友香(31、しまむら)。熾烈な代表争いを勝ち抜いた安藤は、2017年のロンドン大会以来4大会ぶりの出場となる。前回出場(17位)した際の思いや、代名詞となる独特なランニングフォーム“忍者走り”について語った。

前回大会は「未熟さを痛感したレースだった」

安藤は昨年の名古屋ウィメンズで自己ベストの2時間21分18秒で優勝し、参加標準記録をクリア。3月2日の東京マラソンでは、2時間23分37秒の日本人トップでゴールし、2023年4月以降の記録と順位から算出されるジャパン・マラソン・チャンピオンシップ(JMC)シリーズⅣでのランキングでチャンピオンに決定し、代表に内定した。

マラソン代表発表会見にて小林香菜選手と


Q.世界陸上内定が決まり今の気持ちは
安藤選手:

自国開催で行われる世界陸上の代表に選ばれたことで、ちょっとホッとしている部分と、あと2017年のときに世界陸上代表に選んでいただいたので、それ以来となるんですけど、あのとき(17位に終わり)すごい悔しい思いをしたので、リベンジといいますか、そういうチャンスをいただいたので、これから頑張ろうっていう気持ちです。

Q.他の選手よりも少し早く内定したが
安藤選手:

東京マラソンが終わって、1週間後の名古屋のレース次第で自分のランキングも決まるっていうことだったので毎日そわそわっていう感じはあったんですけど。各選手のレースとか見ていて、やっぱりそのタイムだけで見ると自分が一番、タイムをそんなに出せてないので、その悔しい気持ちと、他の選手の凄さとか、走りを見てもっと自分も頑張ろうっていう刺激をすごくいただいた。改めて代表に選ばれてホッとしてるっていうよりは、もうなんかより一層これからしっかり頑張ろうっていうなんか引き締まる思いが強まったので、逆に今、いい機会をいただいたなって思ってます。

Q.母国の東京で開催されるっていう部分は大きいか
安藤選手:

やっぱり海外で行われるレースもすごく魅力的なんですけど、国内だと本当に自分のことを知ってる方たちがたくさん応援に来てくださいますし、慣れ親しんだ場所で走るっていうのはすごく大きいですね。

Q.東京マラソンでは安藤選手に対する声援が多かった
安藤選手:

すごく多かったです。私も東京マラソンを初めて走った。もちろん名古屋であったり大阪も応援は多いんですけど、男女混合レースっていうのもあるので一概には言えないんですけど、応援はいつも以上にあるなって感じましたし、最後の最後まで名前を呼んで応援してくださったっていうのは本当に力になって嬉しかったです。


Q.マラソンでは2017年の世界陸上に出場されて以来の世界大会になるが
安藤選手:

もう一度代表権を取れたのは本当に願っていたことだったので、取れてよかったんですけど、やっぱり一番は2017年のときの結果というか自分も本当に後悔、悔しい気持ちがすごく残ってたレースなので。もう本当にリベンジさせてもらう機会をもらったので、このチャンスをちゃんと物にして、全力で頑張りたいなっていう気持ちです。

Q.前回のロンドン大会で17位、レース中盤20キロ付近で後退した時を振り返って
安藤選手:

初マラソンから2回目のレースということでもちろんペースメーカーさんもいない、本当によくわからないレースにはなったんですけど…何て言うんですかね。これが世界大会といいますか、やっぱりマラソンの世界大会っていうのを経験してなかった部分もあるんですけど、改めて各選手の強さであったり、世界大会の難しさっていうのをすごく感じて、本当に自分の未熟さを痛感したレースだったのを今でも鮮明に覚えてます。

ロンドン世界陸上(2017年)

Q.そのレースで得たことは
安藤選手:

普段自分がテレビで見てるだけだと、わからない細かい変化とか揺さぶりっていうのを体感できたことは、すごい大きいなと思っていて。ただ話で聞いているだけだとやっぱりイメージしづらいんですけど、実際自分があの場所でこう感じれたっていうのはすごく大きくて、だからよりその後の練習であったりレースに向けての準備段階のところでこういうことが想定されるとかイメージがすごくしやすくなったのは本当に大きいですね。