山口県宇部市の長生炭鉱水没事故の犠牲者の遺骨を、遺族に返すための取り組みが進められています。

4日間にわたる潜水調査が4日終わり、次は炭鉱の排気筒・ピーヤから遺骨発掘を目指す方針が確認されました。



太平洋戦争のさなか、長生炭鉱で坑道の天井が落ち水没する事故がありました。

183人が犠牲となり、今も海底に眠ったままです。

犠牲者の遺骨を遺族に返そうと活動する「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」は、今月1日から4日間にわたる潜水調査を行いました。



日韓のダイバー合同で行った坑道内の調査では、これまでの到達地点が180メートルほどであることがわかり、今回はそれ以上先に進むことはできませんでした。

ピーヤが突き出す旧坑道につながる道も見つかっていません。

4日はピーヤから入って28メートルほど潜り、内部の状況が確認されました。

今後は堆積物の除去作業を続け、ピーヤから遺骨があるとみられる地点に行けないかを探る方針です。

水中探検家 伊左治佳孝さん
「今1番可能性が高くて安全度も高くて確実性もあるのは、ピーヤっていうのがはっきりした。それは一定の成果なのかなと思います」

4日間の調査を見守った韓国遺族会のヤンヒョン会長は「難しいことが分かり、待ち続けたい」と話しました。

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 井上洋子 共同代表
「市民のレベルでも日韓連帯が徐々に大きくなっている。次は政府に日韓合同事業でこの問題に取り組んでほしい」

次回の調査は、6月を予定しています。