「思いは強いほど、にじみ出るから」

強くなるには稽古しかない。負けた翌日から1年で最も厳しいと言われる「鍛錬期」が始まりました。

重さ4キロの防具を身に着け、1日3時間の稽古に励みますが、日本一になるにはまだまだ気迫が足りないと、米田監督は感じていました。

米田監督「何のためにやっているんだ?俺なら強くなるためにやるな!『やってやるんだ!負けた悔しさを、よーし次は!』という風には伝わらないよ。その基準を変えないと」

今まで日本一になった先輩たちが、どんな姿勢で剣道に向き合っていたかを米田監督は知っています。

米田監督「気持ちが伝わってこないけど。人の思いってな。強ければ強いほど、そこに にじみ出るものなんだ。先輩たちも同じ道をたどってきて、苦しいことを乗り越えて、日本一にたどり着いているんだよ。苦しいこと、いろいろなことを乗り越える本当の強さを手に入れないと」

米田監督は選手たちに思いを伝えるため、自ら面をつけ、打ち合います。

「苦しくなったぞ!ここからが勝負だ!」

一心不乱に打ち続けました。

米田監督「気持ちは気持ちで伝えた方が分かりやすいかなと。肌身で感じてもらいたい。痛いですね(笑) 打たせて赤くなった分だけ、強くなっているのかなと」

赤くなった手首を見せながら笑顔で話す米田監督

安方主将「強くなりたいって気持ちと、きつい気持ちが戦っていた。必死で、精神的に頑張りました。絶対、日本一になります」