熊本市中央区下通アーケードにある呉服店『帯屋(おびや)』
創業150年以上の老舗が、明日(11月4日)に下通での営業に幕をおろし移転します。

記者「下通りアーケードに入って200mほど歩いた場所にある呉服店。日本文化を感じられるお馴染みの店ですが、この光景が見られるのは明日までです」
幕末の慶応2年(1866年)創業『よそほひ(よそおい)の帯屋』

元は熊本市の中唐人町で商売を始めましたが、昭和元年(1926年)から店を構えた今の場所で間もなく100年を迎えようとしています。
しかし

6代目 宮崎雅士社長「今回、潔く辞めようと」
熊本地震や今年8月の記録的な大雨など、相次ぐ災害で店舗が被害を受け、そのたびに修理や補強などを繰り返してきました。

6代目 宮崎雅士社長「昭和47年(1972年)に建てたビルを修復するのが不可能に近い状況。新しい場所に新店舗を構えることに至りました」
宮崎順子大女将「それはやっぱり寂しいですよ」

下通で営業を始めて99年、大きな決断です。
客「入学とか卒業とか七五三とかで(着物を)着てたけど、なくなっちゃうから寂しいです」
客「私たちが若いころからあるわけだから寂しいですね」
お宮参りに始まり、七五三や成人式、結婚式と人生の節目を迎える人が訪れる呉服店。
下通での思い出を振り返ると客の顔が浮かぶといいます。
宮崎順子大女将「ここで着付けをしてあげたり。そりゃ楽しかったですよ、本当に、思い出はたくさんあります。忘れない、忘れられないね」
11月14日には、熊本市中央区新屋敷に移って、次の一歩を刻みます。
6代目 宮崎雅士社長「寂しい気持ちは顔には出さず、新しくやっていこう それしかないですね」
宮崎順子大女将「先代が言っていた『帯のように細く長く』それを守りたい」














