去年6月14日にカラオケパブの店主・稲田真優子さん(当時25)が店で死亡しているのが見つかり、その後、店の常連客だった宮本浩志被告が逮捕された。この事件について今年10月20日に判決が下される。判決を前に最愛の妹を失った被害者の兄の思いを取材した。

被害者の兄は妹が暮らしていた部屋で“思い出をたどる日々”

 大阪・天満の繁華街を歩く稲田雄介さん(30)。見上げるビルの一室が最愛の妹の最期の場所となった。

 (稲田真優子さんの兄 雄介さん)
 「やっぱり思い出すと悲しくはなっちゃうんですけど。だたまあ逆を言ったら(妹が)一生懸命に頑張っていたところやし…。だからこんなことでネガティブな目では見てほしくない」
 去年6月14日、大阪市北区のカラオケパブ「ごまちゃん」で、店主の稲田真優子さん(当時25)が床に倒れた状態で死亡しているのが見つかった。警察は、真優子さんの首や胸などに複数の刺し傷があったことなどから、殺人事件と断定して捜査。
 遺体発見から4日後の去年6月18日、店の常連客だった宮本浩志被告(57)が殺人の疑いで逮捕された。
 事件後、雄介さんは妹の真優子さんのことを少しでも知りたいと思い、妹が暮らしていた部屋に引っ越した。店にあった備品を預かり、当時の客から話を聞いたりしながら、思い出をたどる日々を送っている。

 (稲田真優子さんの兄 雄介さん)
 「このテーブルもこの椅子もこのメニューとかも、本当に『ごまちゃん』から引きあげてきた状態で家に置いているという感じです。この乾き物も1年半くらい前のやつなので間違っても食べてほしくないんですけど。一生捨てられないかなって思いますね。思い出一個一個かき集めて、そういう思い出がこの場所にあるので、私は逆にここにいたいなと思って」