【準決勝】<桐蔭学園vs御所実>花園連覇の実力を見せて決勝へ

 第1試合で持ち味のモール攻撃としぶといディフェンスを武器に接戦をものにしてきた御所実(奈良)と、試合を重ねるごとにチームとしての進化を重ね危なげなく勝ち上がってきた桐蔭学園(神奈川)の対戦。

 気温5℃、時折冷たい雨もちらつくなか始まったこの試合。立ち上がりは、御所実がペースを握ります。キックオフから鋭い出足で桐蔭学園にプレッシャーをかけてボールを確保すると、桐蔭学園を自陣22mラインの内側に押し込んで波状攻撃を仕掛けていきます。

 しかし、さすがは2年連続で花園の全国高校ラグビーフットボール大会を制覇している桐蔭学園。攻め込まれながらも、ギリギリのところで得点を許しません。3分には、御所実のPR藤井威吹選手にトライエリアに飛び込まれますが、CTB坪井悠選手がうまく下に入ってグラウディングを許さずピンチを脱出します。

 そして前半16分、この試合初めて御所実陣内深くまで攻め込むと、確実にチャンスをものにします。しっかりとしたサポートの連続でラックを支配し攻撃を継続していくと、最後はキャプテンのHO堂薗尚悟選手が判断よくディフェンスのギャップをついてトライ。5点をリードします。

 桐蔭学園はさらに26分、ターンオーバーからの素早い出足で敵陣深くまで攻め込むと、FW陣がスクラムを押し込んだ後、素早く左に展開して、WTB西本友哉選手が左隅にトライ。桐蔭学園、ここぞという場面で取り切る力を見せつけて、10対0とリードをひろげて前半を折り返します。

 サイドの変わった後半、雨の中というコンディションを考慮し、キックを使って反撃を試みる御所実。しかし、桐蔭学園BK陣の落ち着いたキック処理とFW陣のプレッシャーの前になかなか敵陣深くまで攻め込むことができません。15分を過ぎてからは、自陣からでも思いきったパスをつないでいきますが、冷たい雨の影響もあってボールが手につかず、有効な攻撃につなげることができません。逆にハンドリングエラーで相手に好機を与えてしまいます。

 このチャンスを桐蔭学園は見逃しませんでした。後半21分、全員が連動した動きを見せてトライエリアまであとわずかの位置まで迫ると、最後は優位に立っているスクラムでプレッシャーをかけた後、FW陣がじわりじわりと前進してキャプテンの堂薗選手が中央にトライ。ゴールも決めて17対0として勝負を決定づけました。その後の御所実の反撃も無得点に抑えた桐蔭学園。5度目の頂点を目指して2大会の決勝進出です。