【準決勝】<京都成章vs東福岡>勢いに乗る両チームの対決

 第2試合は、準々決勝で前回大会の王者・大阪桐蔭に最後の最後で逆転勝ちした東福岡(福岡)と、京都工学院との京都勢対決に勝利した京都成章(京都)、勢いに乗る両チームの対決となりました。

 一人一人のスキルの高さと攻撃力が自慢の東福岡と、アグレッシブなディフェンスと組織力を誇る京都成章。序盤から両チームが激しくぶつかり合う緊迫した攻防が続きます。前半11分、先に相手陣内深くまで攻め込んだのは京都成章でした。WTB篠颯太郎選手の絶妙のキックでトライエリアまであとわずかまでに迫ります。しかし、東福岡の粘り強いディフェンスの前に、5分近く攻め込みながらチャンスを生かすことができません。逆に東福岡は18分、京都成章陣内深くまで攻め込むと、ラインアウトからのモールを一気に押し込んでトライ。5点のリードを奪います。

 攻め込みながらもチャンスをものにできず、逆襲されて先制を許した京都成章。しかし、選手たちは落ち着いていました。その6分後、持ち味のディフェンスで東福岡のペナルティーを誘発すると、キックで敵陣まで攻め込んだチャンスを生かします。「モールで奪われたらモールで奪い返す」とばかりに、東福岡陣内22mライン付近のラインアウトからモールを形成すると、そのまま一気に押し込んでトライ。5対5の同点に追いつきました。

 さらに、勝ち越しを狙った東福岡の攻撃を食い止めた後の前半終了間際、再び敵陣22mラインの内側でラインアウトからモールをつくると、今度は右に左にうまくポイントをずらしながら前進していきます、最後はHO米本啓太朗選手が判断よく抜け出してトライ。前半は、京都成章が10対5と逆転して終了しました。

 サイドの変わった後半、試合の流れを左右する重要な局面でも先にスコアを動かしたのは京都成章でした。両チームが慎重な後半の入りを見せ、キックを蹴りあう場面が増える中、9分過ぎには相手キッカーにうまくプレッシャーをかけて敵陣22mラインの内側まで攻め込みます。そしてラインアウトからモールをつくると、FW陣が一塊となって押し込み、トライエリアまで5mという絶好の位置まで迫ります。このチャンスに、京都成章は再びラインアウトからモールを形成すると、巧みなコントロールからHO米本選手がこの日3本目のトライ。CTB森岡悠良選手がゴールも決めて17対5とリードをひろげました。

 3本連続で京都成章のラインアウトからのモール攻撃を止めることができず、トライを許した東福岡。このあとは、相手ボールでのラインアウトを避け、自陣からでも仕掛けていく作戦に切り替えます。しかし、雨で足元が安定しない上、ボールも滑りやすい難しいコンディション。さらに、ディフェンスが持ち味の京都成章が相手とあっては、なかなか狙い通りに敵陣深くまでボールを持ち込むことができません。

 逆に京都成章は23分、ハイパントのボールにFW陣が塊となって反応しボールを確保すると、その勢いのまま素早くボールを動かしてトライエリアに迫ります。最後は細かくパスをつなぎながらCTB森岡選手がトライ。東福岡の反撃ムードを断ち切るトライで22対5として勝負を決めました。難しいコンディションも味方につけて、チーム一丸で難敵を下した京都成章。8大会ぶり2回目の決勝進出です。