イランでスカーフの着用が不適切だとして拘束された女性が死亡して約1か月。抗議デモは今も続いています。日本でも行われたデモに参加した、在日イラン人の男性からは「みんな政府を倒そうと思っている」そんな声も聞こえてきました。
■イラン抗議デモ「どれだけ血を流しても諦めない」 子ども27人含む215人死亡
イラン各地で1か月以上続く抗議デモ。収束の兆しは見えません。
10月11日に公開されたテヘランで行われたデモの映像では、デモに集まった学生たちが「女性!生活!自由!」と叫び、「血」を意味するペルシャ語の文字を”人文字”で表現しています。「政権によってどれだけ血を流しても私たちは決して諦めない」という意味が込められているそうです。
人権団体IRAN HUMAN RIGHTSによりますと、デモの鎮圧などで少なくとも子ども27人を含む215人の死亡が報告されています。
この問題を受け、EU=ヨーロッパ連合は17日、イランの治安当局の幹部ら11人と4団体に対し、制裁を課すことで合意しました。対象者らはEU域内への渡航が禁止され資産が凍結されます。

■ヒジャブなしで大会参加のイラン女性選手が“行方不明”に
一連のデモの発端となったのは、「ヒジャブ」と呼ばれる髪の毛を覆うスカーフのかぶり方が不適切だとして拘束されたマフサ・アミニさん(22)の急死です。

そのヒジャブをめぐって、ある騒動が起きました。16日韓国で開かれた国際スポーツクライミング連盟主催のアジア大会。参加したイランの女性選手、エルナズ・レガビさんの頭には、ヒジャブがありません。

これまでヒジャブを着けて競技に臨んでいた女性選手ですが、抗議デモが始まってからの大会でヒジャブを着けていなかったのです。
この様子にSNSでは選手を応援する投稿が相次ぎました。そんななか…
BBCペルシャ語版
「ヒジャブなしで競技に参加した女性選手が行方不明に」

イギリスのBBCペルシャ語版が「彼女の友人が彼女と連絡がとれていない」と伝えました。
安否が心配されるなか、女性選手はSNSにはこんな投稿が…
レカビ選手のインスタグラム
「ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ありません。韓国での大会では時間に追われ不適切な服装になってしまいました。予定通りチームとイランに向かっています」